2024年の兵庫県知事選に立候補した稲村和美氏。
38歳で尼崎市長に就任し、3期12年の任期を務めたキャリアを持ちますが、評判はどうなのでしょうか?
財政再建や治安改善など尼崎市の改革に手腕を発揮したと同時に、USB問題や退職金問題も批判の対象になっています。
この記事では
稲村和美氏の評判はどうなの?
について、深ぼりしていきたいましょう。
稲村和美のプロフィールと尼崎市長時代の評判
では稲村和美氏のプロフィールとキャリアを見ていきましょう。
奈良市出身の稲村和美氏は、神戸大学法学部に進学後、阪神・淡路大震災をきっかけに政治を志しました。
避難所でのボランティア活動を通じて
「市民の声を直接聞ける立場で働きたい」
と考えるようになったそうです。
父母妹の一般家庭の出身で、地盤や看板はないですが、市民のために政治家になった方ということですね。
稲村氏は大学院で法学を学んだ後、一度は証券会社に就職しました。
ですが市民の暮らしに関わる仕事がしたいという思いが強く、尼崎市議会のスタッフを経て県議会議員になります。
そして2010年、38歳という若さで尼崎市長に当選しました。女性市長としては当時、全国最年少での就任でした。
見た目のかわいらしさもあって、注目されました。
稲村市政は、財政再建や治安改善に力を入れました。
こうした取り組みが実を結び、尼崎市は2018年には「本当に住みやすい街大賞」を受賞。
稲村和美氏は、尼崎市を活性化させたと評判が高まりました。
稲村和美の評判:尼崎市長をなぜやめた?
ではここから、稲村和美氏の尼崎市長時代について批判されているUSBメモリ紛失事件と退職金問題についてみていきましょう。
この頃の評判が、兵庫県知事選期間中に大きな話題となりました。
2022年12月、稲村氏は3期を終えて市長を退任していますが、なぜやめたのかと疑問の声も多く上がりました。
USBメモリー紛失事件
稲村和美氏は、尼崎市長在任中には大きな問題も起きています。
2022年6月、委託業者が市民46万人分の個人情報が入ったUSBメモリーを紛失する事件が発生したのです。
幸い情報流出は確認されませんでしたが、情報管理の甘さが指摘される事態となりました。
USBメモリー紛失は、ビプロジー(旧日本ユニシス)という業務委託先の問題でした。
市から許可を得ないまま、この会社は再委託先の社員にUSBメモリーを持ち出させ、その社員が飲酒後に紛失するという事態が起きたのです。
市の調査委員会は、
「市とビプロジーが『なあなあ』の関係になっていた」
と指摘。
稲村市長は給与カットで責任を取り、再発防止策を講じることになりました。
稲村和美氏はしかるべき責任と対応をとったと思われます。
尼崎市長退任の理由は、3期12年間つとめたことが公的なものです。
ただ、このUSBメモリ紛失事件の影響が大きいのではないかとも言われています。
尼崎市長退職金問題
稲村和美氏の尼崎市長3期にわたる退職金の総額が約5,000万円にのぼることも批判を呼びました。
稲村氏は任期最後の期末手当を自主返納するなど、市民感情に配慮する姿勢を見せました。
ですが兵庫県知事選に出馬した後、退職金を増額したという評判がたち、批判の声が強まりました。
特に、兵庫県知事の対抗馬、斎藤元彦氏の支持者から退職金問題を追及する声が多いです。
稲村氏の評判と結び付けた投稿が多く見られます。
連日、斎藤知事の演説は超満員だ。
それが兵庫県民の民意だ。
たとえ稲村和美さんが勝ったとしてもそれは民意じゃない。
ただの組織票だ。
それで稲村さんは嬉しいのかな。
まあ尼崎市長の時に自分の退職金5倍にしたくらいだから報酬さえあればいいのだろう。
SNS上の稲村和美の評判
このように稲村和美氏の尼崎市長としての評判についての論争は、兵庫県知事選に出馬したことで再燃することになってしまいました。
特に、USBメモリ紛失事件や退職金問題が悪評の原因となっています。
これを根拠に、兵庫県知事にはむいていないという主張がSNS上で多く見られます。
例えば、稲村和美氏の退職金と斉藤元彦氏の退職金を比較する投稿も多いですね。
兵庫県知事選挙、トップを走る稲村和美の尼崎市長時代の退職金がとんでもない金額。
斎藤元彦氏は兵庫県知事時代に退職金を五割カットしている。
税金をもらいまくった市長 VS 行政スリム化する知事
USBメモリ紛失事件と退職金問題はセットになって稲村和美氏の評判に影響しています。
稲村和美候補 尼崎市長時代のお話がなかなか凄い
全住民のデータが入ったUSBメモリ紛失後、市の情報セキュリティ責任者である副市長の給与を1カ月分減額
ご自身は12月1日まで在籍して退職金を満額もらって退職
稲村氏への評判は兵庫県知事選の結果に大きく影響すると考えられますね。
稲村和美の兵庫県知事選出馬:外国人参政権は公約?
ではここから、稲村和美氏の兵庫県知事選出馬以降の評判についてみていきましょう。
2022年12月、稲村和美氏は「3期12年が一つの区切り」として市長を退任。
そして、2024年11月の兵庫県知事選に出馬しました。
「対話と信頼なくして、改革なし」を掲げる稲村氏。
市長時代の経験を活かし、41市町との密接な連携を重視する姿勢を示しています。
一時期は最有力候補とみなされていましたが、斉藤元彦氏の追い上げが激しくなり、大接戦となりました。
兵庫県知事選で稲村和美氏について「当選すると外国人参政権が成立する」というデマが拡散されました。
稲村氏は「外国人参政権」を公約にしていません。
自身のウェブサイトで、
「この件について何も発言しておらず、また県知事選とは関係ありません」
と明確に否定しています。
かつて、「緑の党」の前進組織に関わっていたことから出てきたフェイクニュースかもしれません。
この事例は選挙期間中のデマ拡散の一つとして注目されていますが、稲村和美氏の評判に影響を及ぼしているのは確かです。
*稲村和美氏の兵庫県知事対抗馬、斉藤元彦氏についてはこちらの記事もご覧ください。
稲村和美の評判と兵庫県知事選のフェイクニュース【まとめ】
稲村和美氏の評判について詳しく解説しました。
尼崎市長時代のUSBメモリ紛失事件と退職金問題が、兵庫県知事選出馬後も、稲村和美氏の評判に影響しています。
さらに、外国人参政権については認めていないにもかかわらず、デマがひろまって評判に影響しています。
2024年の兵庫県知事選はフェイクニュースが飛び交っていると言われています。
稲村和美氏は尼崎市という人口46万人の都市で実績を上げてきました。
これに対して兵庫県は550万人が暮らしますので、より大きな挑戦となります。
市長時代の実務経験と改革手法が、県政でも活かせるのか、有権者の判断が注目されています。
*稲村和美氏の家族構成についてはこちらの記事もご覧ください。