隈研吾(くま・けんご)さんは日本を代表する建築家。
新国立競技場や高輪ゲートウェイ駅、また木材を活かした独創的なデザインで知られ、数々の賞を受賞しています。
ですが最近、その代表作で、青かびや腐食などの深刻な問題が発覚しました。
多くの建築物で大規模改修が必要となり、費用も必要となっています。
この記事では、
隈研吾の建物がボロボロ
と言われているのが本当かどうか、実際の画像を見ていきましょう。
隈研吾さんって?世界的な建築家
ではまず、隈研吾さんのプロフィールをご紹介しましょう。
1954年横浜生まれ
東京大学工学部建築学科卒業
米コロンビア大学で研究
隈研吾建築都市設計事務所設
東京大学特別教授、早稲田大学や東京藝術大学などで教える
木材を活用した「和」のデザインから「和の大家」と称される
隈研吾さんは、東京オリンピックのメインスタジアムとなった国立競技場を設計し、日本中で有名になりました。
木をふんだんに使った独特の建築スタイルで、国際的にも高い評価を受けています。
高輪ゲートウェイ駅や角川武蔵野ミュージアムなど、私たちの身近にある建物も手がけています。
自然と調和する建築を目指す隈さんの作品は、まるで森の中にそっと佇んでいるような雰囲気を持っています。
この独創的なアプローチは、世界中の建築家たちにも大きな影響を与えてきました。
曲線がたくさんあるユニークな建物は見ていて楽しいですよね。
*菊川怜さんも東大工学部建築学科卒。こちらの記事もご覧ください。
【画像】隈研吾設計の美術館がボロボロ:青カビ発生で修復が必要
ところが最近、隈研吾さんの代表作のひとつである那珂川町の馬頭広重美術館で、深刻な問題が明らかになってきました。
開館から24年が経ち、建物を覆う木の部分が予想以上の速さで傷んでいるのです。
特に目立つのは、美術館を特徴づける庇(ひさし)の部分です。
地元の八溝杉を使った細い木材が、雨風にさらされて腐りはじめ、中には折れてしまった部分も。
屋根の装飾部分には青カビが発生し、黒ずんでしまっています。
雨漏りもするようで、大問題です。
さらに困ったことに、この改修には3億円もの費用がかかるとわかりました。
町では一部をクラウドファンディングやふるさと納税で集めようとしています。
ですが地元の方々からは
「税金の使い方として適切なのか」
という批判の声が上がっています。
建物の修復よりも、他にも費用を必要としていることがたくさんありますよね。
隈研吾設計の他の建物もボロボロに:腐食の画像
実はボロボロになっているとう問題は馬頭広重美術館だけの話ではありません。
群馬県の富岡市役所では、完成からわずか6年で外壁の木材が傷み始めているようです。
このようにひさしの裏側が腐食してきています。
40億8000万を書けて建てた市役所ですが、さらに修復に費用がかさむことになりそうです。
東京の高尾山口駅でもカビの発生が報告されています。
とても素敵な駅舎ですよね。
ですがこちらの写真のように青カビがずいぶん広がっています。
京王高尾山口駅は2015年に隈研吾氏のデザインでリニューアル。すでにキテますね…。
高知県の雲の上ホテルでは30年もたたないうちに老朽化し、建て替えが決まりました。
なんかすごい。
①高知県梼原町が、1994年に6.2億円で建設 隈研吾氏が初めて手掛けた木造建築
②老朽化で2021年に解体 ③建て替え予算28億円、設計は再度、隈研吾氏
③建設費高騰で38.8億円に
④財源見通し立たず再開未定←イマココ 27年で改修でなくて建て替え……
6.2億円で建設したものを建て替えるのに38.8億円必要で、まだ財源が見つかっていないようです。
隈研吾設計のボロボロになってきている建物はどれも、木材を大胆に使用したデザインが特徴です。
自然素材を活かした美しさは高く評価されていましたが、青カビや腐食対策といった維持管理の難しさが次々と表面化しているようです。
隈研吾が設計した建物を使った人の感想
ではここから、隈研吾が設計した建築物を使った人の感想を見てみましょう。
外から見てすばらしくても、やはり建物は使う人が一番大切ですよね。
こちらの方は、隈研吾設計の建物で働いて、使い勝手が悪く、体調を崩したとのことです。
隈研吾設計の新築建物でバイトしてたことあるけど
・人間の動線をわかってないので入口から出口まですべてに案内板が必要
・空気の動線もわかってないので冬は極寒
・雨樋がなく屋根のへり全部から雨水が落ちるので逃げ場のない滝になる
で不要な業務と頻繁な体調不良で辞めた
こちらの方は、「階段の角度に沿って降りると柵にぶるかる」とのことです。
動線がおかしいようですが、わざとなのでしょうか?
足元が悪い人などにはちょっと怖いかもしれませんね。
隈研吾氏の設計した旅館に泊まった方は、掃除がしづらくて衛生面に問題があると感じたようです。
一部、隈氏改装のそこそこの旅館に泊まった時、建造物利用した時感じた感想そのもの
これ、どーやって掃除すんねん、つーか既に汚くてあんま湯う浸かる気いせんわと思った
もちろん、これらの問題はありますが、隈研吾氏の建築物を高く評価する声があるのが前提です。
ただ、そのなかに問題のある建物が少なくないという評判が多いということなのでしょう。
専門家たちの指摘と隈研吾さんの見解
では建築の専門家たちは、この隈研吾さんの建築物がボロボロになっている状況をどう見ているのでしょうか。
多くの専門家が指摘するのは、材料の選び方と使い方の問題です。
- 「外部に使う木材としては適切でない素材を選んでいる」
- 「雨風から木を守る工夫が足りない」
といった声が上がっています。
このために、青カビが発生したり、腐食が起こったりしているのでしょう。
また、美しさを追求するあまり、メンテナンスのしやすさという視点が不足しているとの指摘も。
建物は完成して終わりではなく、その後も長く使い続けることを考える必要があります。
修復費がかさむような建築物を欲しいと思う人はいないですよね。
これらの指摘に対して、隈研吾さんは
「木材には環境面での大きな利点がある」
と説明しています。
欧米でも木材活用が進んでいることを例に挙げ、維持費用の増加を考慮してもなお、木材使用には意義があると主張しています。
ただし、メンテナンス方法の確立が遅れたことは認めています。
維持費用は結局、建物の保有者が支払うということで、かなり皆さん困惑されているようですよね。
隈研吾の建築物はボロボロ?【まとめ】
この記事では、世界的建築家の隈研吾さんによる木材建築がボロボロになってきている状況について、画像を使って解説しました。
設計を依頼した方々は、このようになるとは思いもよらなかったことでしょう。
建築には「美しさ」と「使いやすさ」の両立が求められますが、今後はこれが継続できる建築物が求められるのではないでしょうか。
*東京の中目黒にあるスターバックスロースタリーも隈研吾さんが設計。こちらは宇宙ステーションっぽくていいですよ。私も好きです。よろしければこちらの記事もご覧ください。